投稿日:2025年11月21日
10月7日、津和野町立青原小学校の5・6年生が、「蓬莱糖(ほうらいとう)」という昔ながらのお菓子を作る料理教室を開きました。
蓬莱糖とは、いわゆるわらびもちのこと。かつて津和野藩内では山にわらびが多く自生しており、地元の特産として親しまれていました。
この活動のきっかけになったのが、青原地区にある国指定史跡「山陰道 徳城峠越(とくしろとうげごえ)」です。

江戸時代、津和野藩主はこの峠をかごに乗って越え、現在の益田市高津にある戸田柿本神社へと参拝に向かっていました。
そして、峠の山頂にあった茶屋では、蓬莱糖がふるまわれていたとされ、藩主のお気に入りだったとも伝わっています。
青原小学校の子どもたちは、6月に実際にこの徳城峠を歩いて登り、当時の藩主の気分になりながら山頂で蓬莱糖を味わう体験を行いました。
今回はさらにその学びを広げ、地域の方にも知ってもらいたい!という想いから、児童たちが自ら声をかけて料理教室を開催。


当日は地元から11人が参加し、食生活改善推進員の皆さんのサポートのもと、にぎやかで和やかな雰囲気の中で蓬莱糖づくりを行いました。
出来上がった蓬莱糖は、お昼前のおやつとしてみんなで美味しくいただき、歴史と味の両方を楽しむ時間となりました。

今回のように、子どもたちの学びと地域の歴史・文化が結びつく機会が生まれることはとても素敵なことです。
自由な発想で地域資源に触れ、その魅力を発信していく子どもたちの姿を、地域の大人たちが支えていけたら…そんな未来が広がっていくといいですね。
蓬莱糖はご家庭でも作ることができますが、町内の以下2店舗でも購入可能です。
秋の散策のおともに、あるいは徳城峠の山頂で当時の藩主気分を味わいながら食べるのもおすすめですよ。
蓬莱糖にまつわる歴史や、徳城峠越についてもっと知りたい方は、
津和野町日本遺産センターにもぜひお越しください。
津和野百景図に描かれた往時の姿などをご覧いただけます。
