幕末の風景が現代の風景。
歴史とともに暮らしている津和野町が、日本遺産になりました。
このたび津和野町は「津和野今昔〜百景図を歩く」というストーリーで日本遺産に認定されました。
栗本格齋の描いた「津和野百景図」を手本として、町並みや伝統行事、自然景観を守り伝えてきた津和野町民の暮らしそのものが「遺産」として認められたものです。
およそ150年前の幕末の頃の津和野藩の様子をイキイキと描いた「津和野百景図」は、当時の景色や習俗を伝える興味深い資料です。この百景図をめくっていくと、津和野に「今も残っている風景」がたくさん描かれていることに気づきます。「鷺舞」「流鏑馬」「津和野城跡」「藩校養老館」といった無形、有形の文化財をはじめ、桜や紅葉の名所など風光明媚の地、それに鮎や猪、松茸、山菜など“食べられる”百景図も描かれています。
そして、これら百枚の絵図に描かれた題材の半分以上は、今日の津和野でも目にすること、体験することができるもの。つまり、津和野を訪れると百景図の時代と今が、つながっていることが分かります。
また、百景図に描かれた幕末の津和野の風景は、啓蒙思想家西周や明治の文豪森鷗外が藩校養老館へ通っていた時代のもの。“幕末に描かれた絵図をガイドブック”に、“彼らも見たであろう風景を求めて町を歩く”———そんな貴重な体験をしてみませんか。