投稿日:2016年11月30日
「あしびきの やまどりの尾のしだり尾の ながながし夜をひとりかも寝ん」と百人一首で有名な、歌聖柿本人丸が祀ってあるのがこの高津人丸神社である。
ということでこの神社は歌詠みが祈願に来る、学問の神社であると思っていた。
ところが最近は妊婦の方も参りに来ている。頭のいい子が生まれますように、
という祈りかと思っていたら、安産の祈りだった。
ここは人丸神社。ひとまる。人産まるということなのだ。なっ、成程!
そうこうしていると消防関係の人も参っているようだ。何故?
柿本、カキノモト 火気の元。 人丸 ヒトマル 火止まる。なーるほど。さすが日本人だなー。
そしてもう一つ人丸さんは、石見に和紙を伝えたという逸話もあり、
和紙の祖神としても崇められているのだ。
人丸の「誕生の地であり、終焉の地でもある」と言われているここ石見は、百人一首にちなみ
昔からかるたの盛んな地域であり、年中かるた大会が催されている。
(「ひとまろさんかるた大会」というのもある。)
そのせいもあり、全国に名を成すカルタ取りの猛者が、子供から大人まで数多く存在している。
因みに柿本神社はここから西の方約10キロ離れたところ、戸田にもある。
木々に隠れて目立たない社だがここの神社の造り、特に彫り物には目を奪われるものがある。
津和野藩のお抱え絵師大島松渓の作と伝えられているが、こんな凄いものにはなかなかお目にかかれない。
一羽の鶴が口に何かをくわえている。それは一匹のドジョウ。鶴の先には二羽のひなが待っている。
何ともかわいい。そして見事である。沢山の彫り物で時の経つのも忘れてしまう。
皆さん是非見に行って見て下さい。