百景図よもやまばなし

第89図 幕末編ウォーリーを探せ?

投稿日:2016年11月24日

青原の駅に佇む旅人。

笠を上げ遠くを見上げている。

そしてその前の馬、首を曲げて前足で、あごの周りを擦っている。

この人と馬、このポーズ、どこかで見た覚えがある。

そうだ第88図徳丈の峠だ。ページを目繰り返してみると、あれれ全く同じだ。

馬方は違うが馬の姿、恰好、人との重なり具合、大きさ、旅人のポーズ、判で押したように似ている。

これは一体どういうことなんだろうか?

百景図には時々似た人が出てくるが、これほどぴったり重なるのものはない。

峠から下りてきて、その峠を振り返って見るのは分かるにしても、大きさまで同じにするとは。

中央の馬方の尻にも何ともユーモアを感じるが、この絵は格斎さんの遊び心満載の絵である。

まるで幕末編ウォーリーを探せである。

この尻の前に高津川が流れており、青原は陸上交通から水上交通への接続点として、

昔は大いににぎわった場所なのである。川向う添谷には水上交通の守り神金刀比羅神社もある。

この通りは、気性の荒い馬方、舟方の怒号が飛び交ったということで俗に「喧嘩横丁」とも呼ばれていた。

今は前の国道9号線がメイン道路となり、この通りは静かに昔日の面影を残している。

後日談 まあよくよく見ると太ももの膨らみ具合や、足に履いているもの、腕につけているもの

    帯の結び方など微妙な違いがある。だが人も馬もポーズは瓜二つである。

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