投稿日:2016年11月10日
百景図中、ただ一つだけ俳句が添えてある。
それがこの81図である。
「艸刈の見類 のミ惜敷花野可な」(草刈りの見るのみ惜しき花野かな)とある。
格斎さんは、さすがお数寄屋番だけあって俳句も嗜んでいたことが分かる。
俳句のスペースを上手に取って、優しいタッチで添えている。
それほどに青野河原(地元では青野がわらと呼ぶ)の秋は綺麗であったのだろう。
ところで秋の七草と言えば山上憶良流にいえば「萩の花」「尾花」「葛花」
「撫子の花」「女郎花」「藤袴」「朝顔の花」(キキョウとも)となる。
が、ここに描いてある花は果たして七草あるのだろうか?
萩の花、これは左の下の白い小さな丸い点の花か?
尾花、これはススキですぐわかる。葛花、馬子の下に蔓がのびている、これだ。
ピンクの撫子の花もわかる。黄色いのは女郎花。
その下にちょこっと咲いているのが藤袴だとする。
とすると、真ん中の白い花、これは何だろう。キキョウには見えない。葉っぱがまるで違う。
では朝顔か?葉っぱがよく似ている。
その上の黒い葉っぱの花は何だ?アザミにも見えるが七草とは違う。
ということで、藤袴、キキョウがどうもよく分からない。
この絵から、何がどれか判る人がいたら教えていただきたいものだ。
ついでに馬子の背中にある物も何だろう? 笠それとも背負い籠?不思議な丸さである。