投稿日:2016年11月09日
妹山、またの名を青野山というと格斎さんは記しているので当時は妹山が通称だったようだ。
妹(いも)とは何であろうか?現在では姉妹の下の方の意味
だが古語では、妻あるいは恋人、親しい女性という意味もある。
昔は血縁関係の夫婦も多く、妹が妻だったりした名残という説も聞く。(そういえばイザナギとイザナミも兄妹だった。)
青野山はそんな女性を髣髴させる、丸みのあるなだらかな形の、優しい感じの山である。
うちの女房は違うぞという声も聞こえそうであるが、昔はそうなのである。
格斎さんは人麿も歌に詠んだとあるので、探してみるとこんな歌だった。
「妹山の岩根における我をかも知らずで妹の待つゝあらん」
人麿の歌には妹がよく登場する。それほど愛妻家だったのか、
はたまた妹があちこち複数いたのか、それはよく分からないが?
どっちにしろ人麿さんも歌に詠むぐらい、この山は古くから歌人の心を捕えていた
ということでしょうね。
この絵に登場する人物は馬子の親子であろうか?負い籠を背負って後ろを振り返っている。
どんな会話がなされたのだろうか。
秋霞の漂う中、長閑な時間が流れていく。