百景図よもやまばなし

第74図 ほーたるこいこい

投稿日:2016年10月28日

73図とこの74図は百景図の中でも、特別浮世絵の影響が強く出ている、と思うのは私だけだろうか。

三軒屋の夕立は広重の「大橋あたけの夕立」、寺田の蛍狩は栄松斎長喜の「蛍狩美人」とよく似ている。

格斎さん独特の遊び心がそうさせたのであろうか?

ここの登場人物は、町屋の御新造さんとその娘達、そして使用人の子供達といったところだろうか?

母親は蛍籠と団扇を持っている。子供たちは母親と同じ模様の団扇。男の子達は笹竹。

沢山の蛍が飛び交っている。初夏の夕暮れ、暑さも忘れて、親子で楽しいひと時を過ごしたに違いない。

私たちも子供の時は、捕った蛍を蚊帳の中に放し、蛍の光を見ながらいつの間にか眠ったものだ。

今津和野は、源氏ボタルを守ろうと、毎年畑迫地域で蛍祭りを行っている。

この絵より10キロぐらい上流になる。

6月中旬あたりから蛍バスの運行も出て、夏の風物詩になっている。

この季節には是非津和野へ。殿町の花ショウブも見ごろなので。

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