投稿日:2016年10月26日
「よいさあ、ちょいさあ」
「もっとこっちだ、こっちに寄れ」
「押すな,押すな、深いぞ」
「上だ、もっと上にあがれ」威勢のいい掛け声とともに、大勢の若い衆が担ぐ神輿が、にぎやかに津和野川を渡っていく。真ん中の青い半纏は神輿の仕切り役か。周囲に気を配っている。
天神祭の一番のイベント、暴れ神輿の川渡りだ。天神様は雷の神。
水を呼び込む神ということで、こうして裸で川へ飛び込んで神様を喜ばすのだ。
川を渡って下りてきた天神様は、しばらく町を練り歩き、下町の御旅所でお休みになる。
雷と同じように大暴れをするこの神輿、行く先々の家並みでも大さわぎをしていたらしい。
家の軒にぶち当たり軒が壊れても、神様の縁とみんな笑ってなおしたと聞く。
それにしても凄い賑わいだ。今古里にいるのは年寄りばかり。
川の水量もぐっと減ってしまったが、神輿を担ぐ若い衆も減ってしまった。
天神祭は残っているが、ここ数年神輿を見ることはない。
こうした賑わいが戻ってくるのはいつのことだろうか?
残したい百景図の一つである。