投稿日:2016年10月15日
こんないい滝が町なかにある。
実は65図の横堀の所にも小さく出ていた。
道路の家並みの後ろ山の麓にちゃんと描かれている。
今は鉄道山口線の土手が邪魔をしているために、鷗外屋敷からは見ることができないが近くにあることは確か。
鷗外生家の近く、キヌヤ駐車場から歩いてわずか5分の所にある。
鉄道の土手を超えるとざざーっという滝の音が響いてくる。
何とも心地よい響き。「ここに滝がありますよ」という存在感。
鳴滝という名の如く音のきれいな滝である。大きな銀杏の木の先にある。
側に大きく暗い穴蔵があるのは百景図と全く同じ。さすがに蝙蝠は飛んでいないが。
最近まではいたということである。小さい祠があって覗いてみると金剛杵を持った
素朴な石の仁王さん。仁王さんというからには、二体であるはずだが、なぜか一体である。
そんなことで初め、御不動さんと間違えてしまった。
滝の水は澄み切っていて、地元の人が滝壺から何本もパイプを引いている。
生活用水として、夏はスイカを冷やしたり、冬は大根を洗ったり今でも活躍している。
かなりの水量があり、大水が出た時はこの辺り一帯大変なことになったことだろう。
外堀ができてどんなにか多くの人が救われたに違いない。
実はこの外堀は館の護りというより、湿地帯から水を抜くために造ったのだ。
町方が多くの費用を出して造った。その結果できた田が町方の田、町田という地名になった。
その町田にあるこの鳴滝。鷗外生家を訪れた人は、是非ここに立ち寄っていただきたいと思う。
土日なら、この土手からSLが間近に写せるのも隠れた魅力である。
左は今の鳴滝。
別世界に来た気分になる。