投稿日:2016年10月05日
昔はタブーが多かった。
やれ夜爪を切るなとか、
ミミズに小便かけるなとか。
江戸時代、庚申の日の夜に寝るな!
というのも大きなタブー
だったようである。
十干十二支の組み合わせで、庚申の日は60日に一回廻ってくる。
単純計算では年に6回。たまに7回になる時もあるらしい。
中国道教の教えで、人間の体の中には、生まれながらに三匹の虫がいるということだ。
三尸(さんし)というらしい。上尸は頭に住み道士の姿をしている。首から上の病はこれが元らしい。
中尸は腹の中に住み獣の姿。臓器の病のもとだ。
下尸は足に住み、腰から下の病を起こす。頭は牛、体は人の足でできている。
その三尸は、人の体を抜け出し早く自由になりたいと、様々な病を引き起こし、人の寿命を縮めようとする。
庚申の日の夜には、眠った人の体を抜け出し、天帝のもとに行き、宿り主の人間の悪行をぶちまける。
すると天帝の天罰が下り、宿り主の寿命はさらに短くなる。三尸には自由が近づきホクホクだが、
宿主にとっては大きな恐怖だ。だから庚申の夜は寝ないで、三尸が抜け出すのを阻止する。
その時拝むのが、青面金剛明王。帝釈天の使いで人々をあらゆる疫病から守るという。
その明王が祀ってある処が、この図の庚申堂ということになる。
神道で守ることになれば、申(さる)にちなんで猿田彦。
悪行を「見ざる」「言わざる」「聞かざる」と三猿を建てる処もあるそうだ。
年に七回もある時は庚申塚なども建てて、厄払いをするらしい。
庚申堂のある所は、現在墓所になっている。亀井家別邸の以前の持ち主「吉田三輔」氏の墓もある。
導火線で有名な人で、墓にその業績が刻んである。
ここへ来られたら是非読んで欲しいものの一つだ。