百景図よもやまばなし

第53図 山越えをする庶民

投稿日:2016年09月18日

幾久の猟場を過ぎると大きな曲りになる。

現在は大型トラックの引き込み場所になっている。

そこからは、青野山がポッカリ顔を出しているのが見える。

この図の通りである。

猟場を作ってからは、荒らされないように庶民はわざわざ山を切り開いた道に迂回させていたとある。

先日、その道はあるのか山を分け入って探してみた。するとそれらしき道が出てきた。

今は小道の左右は藪で視界が悪いが、藪を通して青野山がはっきり大きく聳え立っていた。

下の道を通れば歩きやすいが、この絵のような景色には

巡り合えなかっただろう。

カモの猟場よりは遥かに眺めがいい。

二人の旅人ものんびりと景色を楽しんでいる。

石に腰かけた旅人のキセルの先に、

煙がうっすらと筋を引いているのと

立っている旅人が、少し笠をあげて仰ぎ見る姿が

なんとも心憎い。城山に見えるのは、西門櫓と南門櫓であろうか?

畑迫へはこの山道を下りて、中原の橋を渡り現在の川向を通っていた。

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