百景図よもやまばなし

第51図 殿様の猟場

投稿日:2016年09月15日

夥しいカモの群れである。幾久には今もカモは飛来するが、

これほどの群れは来ない。昔の自然の豊かさには脱帽

である。オシドリも交じり美しい一幅の絵に仕上がっている。

我々の子供の時は「戦の淵」と呼んで

よく泳いでいた場所だ。

先日久しぶりに訪れたが、昔に比べなんだか狭く小さく感じた。

淵の後ろに大きな岩の崖があったが、

雑木が茂ってあまりよく見えなくなってしまっている。

解説にはカモ猟は網をかけて一網打尽とあったが、隠居後の矩貞公などは鷹を連れて弓で猟遊したという。

網よりはよほど優雅である。手前に屋根が見えるが殿様専用の茶庵「含碧亭」である。

カモ肉は最高の味というが、殿様たちも狩の後は、焼き鳥や鴨鍋に舌鼓をうったのだろうか?

オシドリも絶品で、これを食べると夫婦の仲も良くなるというが、いつか試してみたいものである。

(オシドリ夫婦とは仲のいい夫婦の代名詞みたいなものだが、実際のオシドリは毎年パートナーを替えていたり、

抱卵は奥さんに任せきりだったり、人が言うほどそんなに仲睦まじくないということだが‥。)

  

左の写真は今の戦の淵である。

秋も深まるとここにカモやオシドリが飛来する。

その時もう一度写真を撮ってみたい。

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