百景図よもやまばなし

第39図 武士の花見

投稿日:2016年08月18日

今も昔も鷲原公園の桜は見ものだ。

赤い毛氈の上で侍も花見をしている。

大酒でも呑んで浮かれているのかと思いきや、なんと片手に短冊を持っている。

和歌か俳句を詠みながら呑んでいるのだ。

カラオケで大騒ぎをする我々(私のことである)とは教養が違うのである。

いつでも歌が詠めるというのは、武士の嗜みでもあったのだろう。

三人の前にはお猪口が一つ。

句ができたら飲むのであろうか?

それともできるまで何杯も飲ませられるのであろうか?

左の侍は箸を持たずに筆を持っているようにも見える。

そばにあるのは矢立であろうか。早くできたので忘れぬうちに書こうと

いても立ってもいられぬというところだろうか。

何とも風流である。

格斎さんは「日暮らしなま酔い気分でヒョウタンぶらぶら」と書いていたが

若しかするとこの絵の左の坊さんは、格斎さん自身かもしれない。

肩に酒の入った瓢箪をぶら下げている。

いずれにしてもこの時代の中下級武士は暇であり、

しょっちゅう集まっては、飲み食いしていたようである。

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