百景図よもやまばなし

第28図 こんなところに馬さんが

投稿日:2016年07月24日

ここに馬さんがいるのがお分かりだろうか。

よく見ないと分からない。

右の隅の門の前にいる。

一頭二頭なんと三頭もいるではないか。

ははぁ例の馬か。

この馬は市街図の喜時雨神社参詣の行列と、江戸参勤交代図にも出てくる。

それぞれの馬は、虎・豹・天鵞絨(ビロードまたはベルベット)の鞍覆いをしている。

こんな物は国内では絶対に手に入れることができない、貴重なものである。

実はこの鞍覆いは幕府から頂戴した、亀井家の誇り、

家宝なのである。3代玆親さんの時に頂いたものである。

300藩のうちこれを持っているのは30藩のみ

ということで、他藩も羨む自慢の宝である。

「こんなの持つ藩だぞ。どうだ」と言わんばかりに

亀井家としては常に見せびらかして歩いていたのかもしれない。

後日談 行列を組む時、持ち物や人数、馬の数なども実は武家諸法度に細かく決められており、

    大名たちは勝手なことはできなかったようです。そんなことをすれば直ぐに御咎めが来るのです。

    この鞍覆いは、玆監公が四品の位を授けられてから認められたもののようです。

    ですからこれを見せることで玆監公は、自分の格を見せつけたわけです。

    外様大名の精一杯の「えへん」だったのでしょうね。またそうすることで

    お互いが失礼のないようにしたのかもしれませんね。

  

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