百景図よもやまばなし

第17図 鷺舞い

投稿日:2016年07月05日

鷺舞を津和野に取り入れたのは11代吉見正頼である。

ではなぜ取り入れたのか。

私なりの妄想を述べてみる。妄想だから

根拠はない。

正頼は兄が急逝したため家督を継ぐことになった。

その時、嫁さんは元兄嫁だった大宮姫。

大内氏第31代当主義隆の姉である。兄弟の嫁さんを娶るということは、

昔はよくある話である。ところが姫は病気がちで元気がない。

また夫を亡くしたこともあり、その悲しみから抜け切れない。

そうした大宮姫の心を慰めるため

姫が子供の頃山口で見た、あの鷺舞を見せたらどうかと思いついた。

疫病退散の力がある。それに鷺舞はもともと七夕伝説から来ているという。

一年に一回、カササギが羽を重ねて天の川に橋を架け、

牽牛と織女を出会わすという話だ。

一年に一回ぐらい兄に逢わせてやりたい。

そんな正頼の優しい心がこの鷺舞を津和野に生んだ。

「さーぎが橋をわたいたー」という歌詞を聞くたびにそんな妄想が

沸き起こる。

 ※こぼれ話

  格斎さんの描く鷺。その羽の数を数えてみれば、なんと32枚。現在の39枚と違うのである。

  記憶なのでそんなこともあるだろうと思っていたら、なんとなんと現在の39枚になったのは

  昭和41年からのことだった。それまでは32あるいは33枚だったとのこと。

  格斎さんの描いた鷺舞の羽の数はぴったり合っていたのだ。

  恐るべし格斎。失礼いたしました。

  ちなみに羽は7×2・7×2・3×2・5の合計で7・5・3を基本にしている。

   

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