投稿日:2016年04月20日
格斎さんは、それぞれの絵の解説の後に自分の名前を記して印を押している。
注意してみると一枚ごとに書き方を変えている。
「栗本格斎しるす」とあったり「格斎栗本里治しるす」、「六十九翁栗本格斎謹誌」だったりする。
調べてみるとおよそ19通り。(「しるす」の仮名をどの漢字にあてたかなど、細かくすると
もっと増えるかもしれないが。)
しかし、「しるす」は別にして、名前だけに限定すると「栗本格斎」は62通り。
「格斎栗本里治」は31通り。「栗本里治」は7通りとなった。
「格斎」は合計すると93通りになり、「格斎」という雅号を非常に大事にしていることが伺える。
栗本家の年譜によると、百景図をまとめる頃にこの号を使い始めたとある。
「しるす」も「記」「誌」「志るす」「謹識」とか多々あるが、「謹識」や「謹記」など「謹」の字が入るときは、
藩侯の館を描いたり、藩侯が直接描かれてあったり、解説文に「玆監公」という字が出たりとかで藩主に
関係することが多い。
時代は変わっても、畏れ多くもという藩主に対する畏敬の念は変わらないのである。