投稿日:2016年04月19日
格斎さんの絵を見ていると「あれ、ここはどう見てもこうは見えないよ」という景色に出会う。
例えば最初の三本松城の絵。どう見てもこういう景色はあり得ない。三段櫓は無いし、馬立もない。実は格斎さん50歳の時津和野を離れ息子さんのいる京都で暮らすことになり、百景図は67歳頃より京都の地で描き始めている。実際に城を見て描いているわけではない。
百景図は写生ではなく心象なのである。
しかし類稀なる記憶力で、67歳(当時は相当高齢)とは思えない正確さで幕末当時の津和野の風情をこと細かく美しく描き出している。