センター日記

【復活3年目】津和野の「天神神輿」—外から来た仲間とも担ぐ、ひらかれた神事

投稿日:2025年11月28日

11/23、天神神輿が町に戻ってきた

11月23日、津和野の秋を締めくくる天神神輿(てんじんみこし)が行われました。
この神事は日本遺産「津和野百景図」にも描かれている、歴史ある行事。長い歴史の中で中断と復活
を繰り返してきましたが、今回は復活から3年目の節目でした。

※「神輿」は神さまの“乗り物”と考えられる担ぎ屋台。町を練り歩くことで、地域の安寧や五穀豊穣を祈ります。

若手×Yu-naツアー—全国から担ぎ手が集合

今年は地元の若手に加え、津和野体験Yu-naのツアー企画
東京・埼玉・広島・山口・大分など全国から担ぎ手が参加
女性の担ぎ手も力強く加わり、掛け声も一段と高くなりました。

神輿の世界では「地域外の人が担ぐ」「女性が担ぐ」ことがまだ珍しい場面もあります。
それでも、人が減る時代にあっても神事を続けたいという想いから、地域のみなさんが柔軟に受け入れ体制を整えてくださり、初参加の方もすっと輪に溶け込み、初めてなのに、”懐かしい”と感じる空気が町に広がりました。

“橋を渡らない”という決まり—だから川へ

天神神輿には「神輿は橋を越えない」という伝わりがあり、川に入って渡御(とぎょ)します。
冷たい水を全員で受け止めながら「わっしょい!」と声を合わせる時間は、自然への畏敬と感謝を体で確かめる儀式そのもの。
見ている人も思わず息をのむ瞬間です

※橋を避ける理由には諸説あります。神域と俗世の境を丁重に扱う、あるいは古来の渡河儀礼の名残など、地域の伝承が重なって今日まで続いています。

続ける力を、ひらく力で

中断と復活を経て3年目。続けるには、地元の技(担ぎ方・段取り)と、外からの力(参加・共感)をつなぐ“ひらかれた場”が不可欠です。
今年の天神神輿は、その両方が噛み合った、新しい伝統のかたちでした。

来年は、あなたも担ぎ手として、あるいは見守る人として参加しませんか?
津和野体験Yu-naでは、担ぎに挑戦したい方向けの企画も準備していきます。気になった方は、ぜひ続報をチェックしてください。


歴史の背景をもっと知りたい方へ
津和野町日本遺産センターでは、天神神輿が描かれた「津和野百景図」の解説や、町の行事の見どころをご案内しています。
次の参加前に、ぜひセンターで物語を知ってから町へ—きっと、掛け声の一つひとつが、もっと心に響きます。お待ちしています!

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