投稿日:2022年12月01日
津和野には、我国ではなんとも珍しい「フランキ砲」が5門もある。しかもでかい。
喜時雨にある津和野神社に3門、郷土館に2門。
亀井氏が坂崎氏の城引継ぎの時の文書に、石火矢3門と目録にあるところを見れば、3門は坂崎氏が所有していたのは間違いない。郷土館のものは秀吉の時代大陸に出征した時、亀井玆矩公が戦利品として持ち帰ったものだと伝えられている。
フランキとは中国語で特にポルトガル人、スペイン人を意味した語、日本にはポルトガル人により伝えられた。漢字では「仏狼機砲」と書く。日本では一般的に「石火矢」と呼んだ。
16世紀の後半に大友宗麟が使って人々を驚かしたらしい。別名「国崩し」と異名がついた。威力というより、その音の凄まじさに度肝を抜かれたのだ。岡田准一さんが石田三成役を演じていた、あの関ヶ原の映画のワンシーンにも出ていたのをご存知だろうか?
大阪の冬の陣でもこのフランキ砲が使われたらしい。坂崎が大阪より持ち帰ったのは、毛利に対する防備を固めるのに必要と考えたからかもしれない。
フランキ砲は青銅製で、銅は高価であることやガス漏れ事故も多く使用期間は短かったと聞く。砲身は青銅製で、火薬は別の鉄製のカートリッジで詰めるようにしてある。いわゆる薬莢にあたる部分だが、これがないのでどう使ったのかいまいち分からないのが残念だ。
国宝でもおかしくないフランキ砲、津和野に来られたら必見である!!