投稿日:2017年10月19日
「思わずシャッターを切りたくなる」
津和野百景図の風景を通して、そんな津和野の知られざる美しい場所を紹介する
【秘境を撮る】シリーズ第8弾。
今回は「森村・前編」で歩いた道の続きです。
❼の背の低いトンネルをくぐると、またいくつもの細道が続きます。
今回は❽津和野町学校に向かって大きな通りにある横断歩道を渡り、直進します。
津和野百景図第68図「堀内(ほりのうち)御番所の景」
この辺りにはかつて絵のような外堀があり、その堀の内側を「堀内(ほりのうち)」と呼んでいました。
堀内には中級以上の武士が住み、設けられた番所では夜間の通行が禁止されていました。
さて、信号を渡り、番所があったあたりの小道へ入ると小学校に突き当ります。
❽津和野小学校
「堀内」にあたる場所に建っています。
赤瓦の校舎外には大きな鷺舞の壁画が描かれていて、とても津和野らしいですね!
小学校から右に曲がると、
また❾トンネルが現れます!
トンネル好きの方にはたまらないエリアですね。
トンネルの先には細い道に民家や、長屋風の建物が続きます。
この辺りの道も古地図に記された道をそのまま使っていることがわかります。
まっすぐ歩くと、津和野川の大橋付近に出ました。
こんどは左手に、川に沿って歩きます。
線路の高架下をくぐります。
❿の場所から川向うには弥栄神社や太鼓谷稲成神社の千本鳥居が見えます。
ここは夜には灯篭がともり、昼とはまた違う表情になります。
❿~⓫へとさらに川沿いを歩いていくと、幸橋(みゆきばし)に着きます。
ここからは森村を外れて、少しおまけで歩きます。
幸橋のたもとにある古い建物があることに気づきます。
これが⓫馬場先櫓(ばばさきやぐら)です。
お殿様の御殿の門構えのうちのひとつ。
津和野百景図第14図「侯館前錦川(こうかんまえにしきがわ)のいだ」
描かれている橋が幸橋。
そのたもとにあるのが馬場先櫓です。
津和野百景図第12図「藩侯館前(はんこうかんまえ)」
同じく幸橋の先に見えるお殿様の御殿を描いた絵。
御籠に乗って門を出ているのは、奥方の貢子の君です。
馬場先櫓の窓の格子は、三角柱の木材を使い、外からは中が見えにくく、中からは外が見えやすい造りになっています。
さらに進むと、⓬物見櫓(ものみやぐら)があります。
これも場所は移築されていますが、同じくお殿様の御殿の門構えの一部です。
津和野百景図第18図「祇園会車芸(ぎおんえくるまげい)」
車芸の演者の奥にあるのが物見櫓。
この櫓の中、垂れ幕が少し上がっているあたりから、お殿様は芸を鑑賞していたと言われています。
森村を歩いてみて、魅力を一言でいうなら「多様性」。
江戸時代は武家、庄屋、商人、旅人など様々な役柄の人が混在し、明治、大正、昭和を経て、町並みもさまざまな時代が混在する形となりました。
❸杜塾美術館
現代においても、その混在は続き、町営資料館、民営美術館、店屋、一般民家、小学校や高校など、多様な人々が生きる姿を見ることができます。ぜひ、そんな森村の細道へと入って、ゆっくりと歩いて見てください。