センター日記

【史跡復旧完了】津和野藩主・亀井家墓所と永明寺坂の物語

投稿日:2025年06月13日

今週は、津和野百景図にまつわる文化財の“ホットな話題”をご紹介します。

津和野百景図 第二十七図「永明寺坂」では、坂道を行き交う人々の姿が描かれていますが、その図には描かれていないものの、坂の右手にはかつて永明寺の末寺であった「永太院」が存在し、さらにその裏山中腹には、津和野藩主・亀井家の墓所が静かに佇んでいます。

この墓所は「津和野藩主亀井家墓所 附 亀井茲矩墓」として国の史跡に指定されています。
令和3年8月の豪雨により墓所の斜面が大規模に崩落しましたが、文化庁・島根県の支援を受けた復旧工事が進められ、このたび令和7年3月に無事工事が完了しました。

この場所には、初代藩主・亀井茲矩(これのり)をはじめ、2代政矩(まさのり)など、歴代の藩主やその一族の墓が並び、津和野百景図を描いた栗本里治が仕えた、最後の藩主・茲監(これみ)の墓も最奥に。


そのすぐそばには、文豪・森鷗外が撰文を手がけた頌徳碑(しょうとくひ)も佇み、歴史の重みを静かに語りかけてきます。

百景図で描かれた景色のすぐ近くに、藩の記憶をとどめる静謐な場所がある――。
津和野を訪れる際は、ぜひ足を伸ばして、歴史の余韻が残るこの史跡をたずねてみてください。

津和野町日本遺産センターでは、津和野百景図のご紹介だけでなく、津和野観光や文化・歴史のことを常駐のコンシェルジュスタッフがわかりやすくご紹介させていただきます。

 ぜひ津和野へお越しの際には、日本遺産センターへ足をお運びください!スタッフ一同、お待ちしております!

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