百景図よもやまばなし

第33図 牛は何処へ

投稿日:2016年08月06日

鷲原崖の橋とある。

鷲原は鷲がいたから鷲原というより、

もともと葦原(あしはら)がなまったもの

という説がある。確かに川は浅く

河原には葦がたくさん茂っていた。

この絵の両岸の藪も葦なんだろうか?

竹やぶにも見えるが…はっきりしない。

ここに初めて牛が登場する。百景図には馬は32頭も登場するが、牛は唯一ここだけである。

関門を抜け市外に出たので、ここから先はいよいよお百姓さんのテリトリーである。

川向うは今は「なごみ温泉」道の駅だが、昔は広々とした田んぼが続いていた。

このお百姓さんは牛に水を飲ませに来たのだろうか?

それとも体を洗ったり、草を食べさせたりしに来たのだろうか?

もしかするとこの先の水車で搗いた米でも取りに来たのだろうか?

牛は他の資料によると1800年ころの村ではほぼ二軒に

一頭は飼っていたようである。百景図には出ていないが

村々では馬より断然牛が多かったようである。

 後日談 この絵の植物は竹なのか葦なのかはっきりしないと書いたが、

     百景図ファンのSさんから、「49図に竹が描いてあるけどこれと違いますよ」

     とアドバイスを受けた。成程。確かに竹とは違うようだ。だとすると葦か。

     と思ってみたが、葦は川の中州のようなところに多く、土手には少ない。

     とすると、この図の植物は川柳と見るほうが妥当かもしれない。

     どうでしょうか?

     

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