百景図よもやまばなし

第19図 祇園会の流鏑馬

投稿日:2016年07月08日

祇園会は彌栄神社の祭である。

毎年6月7日から6月14日の間に行われていた。

その時には鷺舞あり車芸があり

通り物があり、流鏑馬仮装がありと大賑わいだったようである。

格斎さんも祇園会のために4枚もさいている。

城下の町方が行う、心を一つにしたエネルギッシュな一大イベントだったに違いない。

「格斎、よき賑わいじゃのう。あの楽しそうな顔をみい。」

殿様はそんな事を言いながら、目を細めて観ていたのではなかろうか。

と言いたかったのだか、殿様は高見の見物で出し物を見ただけで、

町方のにぎわいを見たわけではない。

そう思えばどの役者も何となく緊張感漂うよそよそしさがある。

この的持ちのお父さんなどはちっとも楽しそうでない。

芸はやはり見物人あってのものである。

殿様上覧の後は城下に繰り出し、てんやわんやの大賑わいになったことだろう。

ところでこの馬、遊園地の回転木馬のように見えてしまうのは私だけであろうか。

人がデカ過ぎる、いや当時の馬は今のサラブレッドと違い、ポニー級の大きさだったらしい。

短足で速くは無いが持久力はあった。一昔前の日本の陸上選手のようである。

  

共有: